<安全活動>現場の事故を撲滅する - 危険箇所マップによる安全教育

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危険箇所マップ

作って終わりではない「危険箇所マップ」

前回の投稿で紹介した「<安全活動>現場の事故を撲滅する - 危険箇所マップの作成」により、やっと危険箇所マップが完成しました。お疲れさまでした。でも、これ終わりではありません。
ここからが、重要なのです。
危険箇所マップの内容を現場作業者の方に説明して、理解してもらい、さらに意識してもらわなければなりません。
「説明」するだけではだめです。「理解」してもらうだけでもまだ駄目です。
「理解した」状態を作業中も維持してもらわなければなりません。つまり「意識する」と言うことです

それでは、意識しているレベルまでもっていくのにどうするか?です。
危険箇所マップを紙で配って読んでおいてください、では全く効果はありません。
かならず、説明する場を設ける必要が有ります。説明して、作業者の方に理解までしてもらいます。
ただ、一回だけでは、すべての危険箇所を覚えることができません
おそらく、記憶に残るのは、ほんの一部だと思います。
ですので、時間を空けてもう一回説明会を行います。或いは、場合によっては、さらに時間を空けて3回目を行ってもいいと思います。
危険箇所を作業者の方すべてに浸透するのには時間を要します。
それでは、以下で説明会のやり方に関して詳細に説明していきます。

第一回目の危険箇所教育のやり方

①参加型にする
資料を配って一方的に一から説明したら、みんな寝てしまうでしょう。
参加者に問いかけながら説明を進めてください
「<安全活動>現場の事故を撲滅する - 危険箇所マップの作成」で紹介した危険箇所マップはパワーポイントで作成されていますが、アニメーション機能を活用するといいと思います。
資料は紙で配らず、プロジェクターで投影します。そして、まず危険箇所の写真のみ映し出します。
そして、「この写真の個所は危険箇所にあたります。どのような危険が考えられますか?」と参加者に問いかけ、答えてもらいます。
複数人に聞いてみるといいと思います。
そして、一通り聞いたところで、答えを(どのような危険があるか?)を説明します。
次に、「じゃあ、どのようにすれば危険(事故、トラブル)を回避できますか?」とさらに質問し、参加者に答えてもらいます。

このような形で、危険箇所すべてに関して、質問と回答を繰り返しながら説明をしていきます。
大事なのは、作業者の方に問いかけ、考えてもらい、みんなで共有することです
ちょっとしたディスカッションまで発展するとなおいいです。
こうすることで、納得感をもって理解され、それが記憶につながり、作業中でも意識した状態へのきっかけとなるのです。
場合によっては、新たな危険箇所を発見したり、資料にかかれている対処方法よりいいアイデアが生まれるかもしれません。これも参加型にする狙いでもあります

②少人数で
①で見てきた通り、参加型、対話型の教育にするには、大人数では駄目です。
5人、多くて10人が限度と思います。

③アニメーションを駆使
①で書いた通り、説明の際は資料を紙で配りません。手元の紙に意識が行ってしまい、参加型にならないからです。
そこで、危険箇所マップをプロジェクターに投影するのですが、参加型・対話型の教育にするには、見せ方を工夫しなければなりません。
パワーポイントのアニメーションの機能を使います

①でも触れたように、まずは危険箇所の写真だけを投影しておきます(危険箇所、対処法の説明書きを隠しておきます)。
参加者との対話の後、危険箇所の説明文書を表示します。
次に、再度参加者との対話の後、対処法の説明書きを表示します。
このようにパワーポイントのアニメーションを設定しておくことで、参加型・対話型のセッションが成り立ちます。

やり方は、簡単です。
1)「<どのような危険があるか?>」のテキストボックスを選択して、「アニメーション」→「アニメーションの追加」を押します。「開始」の中から、好きな表示方法を選択します。一般的なのは、「フェード」でしょうか。

▲パワーポイントのアニメーション機能
▲表示方法をお好みで選択する。


2)次に「<どのように対処する?>」も同様に設定します。
3)これで、該当ページに移動した時、スライド上は左の危険箇所の写真のみ表示されています。
クリックすると、「<どのような危険があるか?>」のテキストボックスが表示され、さらにもう一回クリックすると、「<どのように対処する?>」も表示されます。

▲クリック毎にテキストボックスが表示されていく。

第二回目の危険箇所教育のやり方

第二回目の狙いは、記憶の定着とさらなる意識向上です。一回だけではすべての危険箇所とその対処方法を記憶できるわけではありません。忘れてしまうこともあると思います。
そこで、第一回目から1,2か月した後、再度教育セッションを開催します。

①変更・更新箇所の説明
第二回目では、再度一から危険箇所マップの説明は行わなくていいと思います。
二回目までの数か月の間で、既存の危険箇所に関し対処法が変わっていたり、或いは新たな危険箇所が出て来たりと、危険箇所マップが変更・更新されていると思います。
この部分にフォーカスして説明を行います(ここでも対話型が望ましい)。

②確認テストの実施

テストを実施して、記憶の定着、意識の向上を図ります
穴埋め式、選択肢式等、テストの方式は様々です。
事前にテストを実施する旨を通知しておいた方がいいでしょう。
その場で、答え合わせを行います。

テストは一旦回収して、定着度合いをチェックします
間違いが目立つ箇所は、再度フォローが必要です。朝(昼)礼等で、注意喚起をする必要が有ります。


第三回目の危険箇所教育のやり方

第三回目は、必要に応じて実施します。第二回目の確認テストの結果や日ごろの作業現場の状況を見て、実施するか否かを判断します。また、やり方に関しても、状況に応じてやり方を工夫する必要が有ると思います。

その他の工夫

・教育記録
教育を実施したら、必ず記録を取りましょう。
日付、時間、場所、教育内容の記載とともに、参加者よりサインをもらいます
その場でサインを求めることで、教育にまじめに取り組む意識が高まる効果があります。

いかがでしたでしょうか?
本稿では、作成した「危険箇所マップ」の教育方法を説明しました。
「安全は一日にしてならず」です。
根気よく安全を訴えていかなければなりません。
継続的に活動を実施する必要が有ります。
現場の環境は変化しますので、情報のアップデートも必要です。
みんなの幸せ、笑顔の為に安全活動を継続していきましょう!

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