対策書、経緯報告書を書き始める前にやっておくべきこと - 事実の把握と原因究明

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原因究明

対策書を書き始める前に

本ブログでは、これまで対策書、経緯報告書等の書き方を指南してきました。

対策書、経緯報告書の書き方 サラリーマン国語
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これまでは、書面としての体裁にフォーカスしてきましたが、対策書、経緯報告書を作成する為には、そもそも何が起こったかを詳細に把握し、原因を突き止め、それに対する有効な対策を策定出来ていることが大前提になります。
決して、「対策ありき」「対策書ありき」にならないよう気を付けなければなりません。

良い対策書、経緯報告書を作成するには、実効性、継続性共に備えた対策が練られていることが前提となります。その練られた対策を策定するには、発生したことを正確に捉えて、原因を突き止めることが必須です。

対策書、経緯報告書作成のプロセスは、以下のようになります。
1)発生したことを把握する
2)原因を究明する
3)対策を策定する
4)書面にする(対策書、経緯報告書を作成する)

今回は、この中で、1)発生したことを把握する、2)原因を究明する為のヒントを紹介したいと思います。

1)発生したことを把握する

対策書作成の第一段階であり、最も重要なステップです。発生したこと、つまり事実を正確に把握しないと、原因は分かりません、或いは誤った原因・対策を導き出してしまいます

やるべきことは、以下の2点です。
①時系列にする
②関係する書類、帳票、データを集める

①時系列にする

業務の始まりから、問題が発生し、問題収束までに行われた行動と起こった事柄を時系列で書き出します
この際、注意すべきは、5W1Hを明確に記述することです。(Whyは無い)
「いつ どこで だれがだれに 何をどのようにした」
「いつ どこで 何が どのようにおこった」

日本語は主語を省略しがちですが、もれなく書いてください。(当然、くどい日本語になると思います。。。)
いつ」は、日付だけでなく、なるべく曜日、時刻(或いは午前/午後)も記録してください。時には、曜日や時刻が、真因まで行かなくても、悪さしていることもあります。

どこで」は、行われた行動や起こった事柄が同じ場所での話なら省略も可能です。
「どこで」は、会社の中の部署と読み替えることができます。複数の部署をまたいで発生したことであれば、明記は必要です。

だれがだれに」は、主語と目的語です。もれなく書いてください。
一連の業務を複数の人が分担して行っている場合は、より重要になってきます。一人で連続して処理していれば間違うことのない処理業務を複数の人で行うと間違いを誘発することが考えられます

何をどのように」は、特に手段に注目してください。口頭、電話、ファックス、メール等伝達手段は多様化しています。紙かデータかもキーになります。ツールの変化、それに伴う習熟度が、原因になることもあります

以上の注意点に留意しながら、一つ一つ行った行動、起こった事柄を時系列にして書き出しましょう。

②関係する書類、帳票、データを集める

時系列の経緯を作成するとともに、関係する書類、帳票、データを取り揃えてください
仕事上の指示は、必ず書面(紙の文章、PCのデータ、メール等)にて行われます。これらの書面にも目を通しておく必要が有ります。
①の時系列で出て来た「何をどのように」を深耕する為には、書面そのものが必要です。ここは現物主義で行くべきです。書面が悪さしていることもあります

2)原因を究明する

経緯を時系列で整理することで、大分状況が分かってきました。
問題にかかわった担当者であれば、通常原因に心当たりがあるものですし、時系列に整理する作業をしている最中に、あらかたの原因は見えてくるものです。
しかし、これで考えることを止めてはいけません。
実は、ここからが大事なのです

やるべきこと(注意点)は、下の3点です。
①原因を深堀する - 「事象」と「原因」を混同しない!
②前回(以前)と今回を比べる - 今まで問題が起こっていなにのに、今回はなぜ?
③原因は一つと限らない - 真因と副次的な要因

①原因を深堀する - 「事象」と「原因」を混同しない!

例えば、「商品がお客様の希望する納期に届かなかった」という問題があったとします。なぜ届かなかったかというと、出荷していなかったからで、なぜ出荷しなかったかというと、窓口担当者が倉庫に出荷指示を発信するのを忘れていたから。
では、原因は、「出荷指示忘れ」だ、これでいいでしょうか?
これは、まだ「事象」に過ぎません。ここで言う「原因」とは、この先のWhy(なぜ?)を指しているのです。
よく「なぜを5回繰り返す」といいますが、回数は別にしても、正にこの作業をしなければなりません。
「なぜ出荷指示を忘れたのか?」→「出荷指示書は作成したが、他の書類を混じってしまった」→「なぜ書類が混じってしまったのか?」→「似た書類がたくさんあるから」→。。。のように問答を繰り返しながら、真の原因を探っていきます。

②前回(以前)と今回を比べる - 今まで問題が起こっていなにのに、今回はなぜ?

①で言及した「なぜを5回繰り返す」は、よく使われる方法ですし、これ自体は非常に有効な方法と思っています。
しかし、例えば、自分が上司で、問題を起こした部下に「なぜ?なぜ?なぜ?」と繰り返していくと、相手が自己防衛に走ってしまったり、或いはだんだん個人攻撃のようになってしまったりで、途中で問答が行き詰ってしまうこともあるでしょう。
そうなったら、視点を変えてみましょう。
問題が発生しなかった前回(以前)と問題が発生した今回に、なにか違いが無かったか探っていくのです。
その「違い」が、問題の原因になっていないか?という見方です。
自分(自社)、相手(顧客)、もの(商品、サービス)、時期・時間、場所、環境、手段において、前回(以前)と今回で何か「変化点」が無かったでしょうか?
あれば、それが今回の問題に直接或いは間接的に影響を及ぼしていないだろうか?このように考えていきます。

人は、この変化点に気づかずにミスを犯したり、或いは変化点に気づいていても、その影響に気づかずに問題に引き込まれて行ってしまうものです
「①原因を深堀する」(なぜを5回繰り返す)の後に、「②前回(以前)と今回を比べる」を必ず行ってください。

原因究明の方法
▲原因究明の方法

③原因は一つと限らない - 真因と副次的な要因

何か問題が起こった時に、その原因は一つでしょうか?当然、一つに限らず、複数の原因が絡んでいることがあります
原因が一つ見つかったからといって、すぐそれに飛びついてはいけません。その他の原因がないかも検討する必要が有ります。
主たる原因の他に、直接ではないにしても間接的に悪さしている事象はないでしょうか?
私たちが原因を究明して、対策を立てるのは、類似事故を発生させない為です。
真因だけでなく副次的な要因に対しても、対策を講じてトラブルの目を摘んでおきましょう

ということで、今回は、対策書、経緯報告書を書き始める前にやっておくべき、事実の把握、原因の究明方法を紹介しました。
対策書の書き方とともに、参考にしてください。

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