利益が減少した要因を分析する方法 サラリーマン算数(2)

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利益減少要因

大きな数字から小さな数字へ

上司       「〇○君、先月の利益が予算に対して1千万円も足りていない。すぐに要因を探ってくれ。」
社内でよく見かける光景ですが、どう対処すればいいでしょうか?
いきなり、先月の顧客別の売上高と利益のデータとにらめっこするでは、時間が足りません。
数字(数値)は、いきなり細かい数値を追いかけるのではなく、まずは大きな数字を把握するところか始めます。
「大きな数字から小さな数字へ」です。

利益が減少する要因

まずそもそも、利益が減少する要因には、どんなものがあるでしょうか?
「お客様の注文が減った」「ライバル会社に仕事を奪われた」「お客様の要請により値下げした」「お客様の納期に間に合わせるために特別便で配達した」などなど、細かく挙げればきりがないと思います。
ただ、大きな分類で見たときは、以下の2つに大別できると言えます。

①売上高が減少したことにより利益が減少した(売上減による利益減)
      ・・・「お客様の注文が減った」「ライバル会社に仕事を奪われた」
②利益率が下がったことにより利益が減少した(利益率下落による利益減)
      ・・・「お客様の要請により値下げした」「お客様の納期に間に合わせるために特別便で配達した」

①は、当然ですが売上高が減れば、それに伴って得られていた利益が減少します。
②は、利益率が下がれば、それに伴い利益も減少します。(同じ売上高だったとしても)

減少した利益を分解する

冒頭の上司の指示に対し、まずやることは、減少した利益を上記①と②に切り分けることです。 下の例題を使いながら、説明します。

利益減少要因
▲例題 予算と実績比較

上記の表によると、予算の売上高1億円に対して、実績が9千万円であり、予算に比べて1千万円少ない結果となりました。一方、利益は、予算3千万円に対して、実績は2千430万円となり、570万円ショートとなりました。
この570万円を①売上減による利益減、②利益率下落による利益減に分解します。

まず、①売上減による利益減を算出します。
売上減による利益減 = 減少した売上高 X 予算の利益率
を使って計算します。

減少した売上高に予算の利益率を掛け算することで、その売り上げがあったら得ることができていた利益の額を算出することができます。これが、売り上げが減ったことで、言い換えると仕事が減ったことで減少してしまった利益が出てきます。

計算式としては、
1千万円 X 30% = 300万円 となります。

利益減少要因
▲売上減による利益減を算出する

次に、②利益率下落による利益減を計算します。
②利益率下落による利益減 = 減少した利益 - ①売上減による利益減
にて算出します。
数式は、570万円 - 300万円 = 270万円 となります。

利益減少要因
▲利益率下落による利益減を算出

以上の計算により、
①売上減による利益減:300万円
②利益率下落による利益減:270万円
と言うことが分かりました。

ここまで算出した上で、顧客別の売上高、利益のデータを掘り下げて(ドリルダウン)、つぶさに見てくのです。
問題解決の方法」でも書いたように、問題は、まずは小さく分解してから、個々に対処するのが定石です。数値の分析も、これと似ています。数値を要素に分解してから、深堀していくのです
繰り返しになりますが、数値分析は、

大きな数字から小さな数字へ

です。

<一緒にチェック>
問題解決の方法
大きな数字に慣れよう 「はい、いくら」
業績数値を理解しよう(1)
業績数値を理解しよう(2)
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