業績数値を理解しよう(1)

Pocket
LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加

損益計算書

1)はじめに

最近では、ESGやSDGsという言葉をよく耳にします。
今、企業は利益の追求だけでは評価されず、法令を順守し、社会的責任を果たし、社会が抱える問題を解決することを求められています。これらのことは、もちろん重要なことで否定するつもりは全くありません。但し、実際の現場では、日々自部署の業績の事に追われているのが実情ではないでしょうか? 今回から数回にわたって、この業績(数値)の見方を紹介していきます。

2)P/Lを理解しよう (業績資料の構成)

通常、ある会社に関するある一定期間の経営成績を表現するのに、損益計算書(P/L=Profit and Loss Statement)を使います。
損益計算書とは、ある期間中にその会社が稼いだ収益と支払った費用、そして残った金額(利益)を一覧表にしたものです。P/Lから、「どれだけの利益または損失を出したのか」を読み取ることができます。下図が、損益計算書の構成となります。

損益計算書 P/L

以上が、損益計算書の教科書的説明になると思います。

3)実務的な損益計算書の見方

但し実務上は、経営者または経営企画や経理・財務部所属でない限り、正直ここまで深く会社の数字を見ることはないと思います。通常は自分が所属する部署の業績の把握が、日常的に必要な課題と言う人がほとんどではないでしょうか?
そこで、ここでは、ショートな損益計算書を理解することに絞りましょう。上記図の通り、損益計算書は、本来「売上高」から「純利益」までを扱いますが、ある部署の業績の良し悪しを見るには、「売上高」から「営業利益」までの把握が求められていることが多いのではないでしょうか。(実際、部署ごとの業績報告書は、「売上高」から「営業利益」になってませんか?)
ということで、損益計算書をショートにすると、下図のようになります。だいぶ短くなりました。

損益計算書 P/L

4)科目を理解する

それでは、一つ一つの科目を見ていきましょう。
読者の方の中には、将来海外で活躍する人もいると思いますので、英語も併記しておきますね。

売上高 / Sales Revenue
会社の本業によって稼いだ金額のことです。
製造業でしたら、製品を販売して得たお金、一方、サービス業の場合は、サービスを提供したことにより得たお金と言うことになります。

売上原価 / Cost of Sales
売上高を生み出す製品やサービスを準備するために費やした費用のことです。
製造業でしたら製品を製造するための原材料の費用、小売業でしたら商品の仕入費用が、これにあたります。

売上総利益 / Gross Profit
売上高から売上原価を引いて出てくる利益のことです。「粗利益」とも言います。実際の職場で、「粗利」と略してしゃべっているかもしれません。「売上総利益」「粗利益(粗利)」は、同じ意味です。

・販売費及び一般管理費 / Selling, General and Administrative Expenses(SG&A)
会社は、商品やサービスを販売する為に、様々な用途にお金を使います。これを総称して、「販売費及び一般管理費」と呼びます。略して、「販管費(はんかんひ)」と言ったりします。
具体的には、社員の給与・賞与、役員報酬、福利厚生、広告宣伝、接待交際、旅費交通、賃借、通信、水道光熱、保険、原価償却、消耗品等にかかる費用です。
ちなみに、「接待交際費」は、英語でentertainment expensesといいます。(エンターテイメントなんだ。。。)

・営業利益 / Operating Profit(income)
売上総利益から販売費及び一般管理費を引いて出てくる利益です。
本業の良し悪しを表す数字です。

ということで、今回は、実際の職場で使用する業績数値の基礎知識をまとめました。
次回は、業績数値データの分析方法に関して、解説したいと思います。

続きは、こちら

<一緒にチェック>
業績数値を理解しよう(2)
利益と利益率から売上を計算する方法 サラリーマン算数(1)
利益が減少した要因を分析する方法 サラリーマン算数(2)
データを素早くまとめるテクニック3選 - エクセル機能の応用
伝わる表の作り方(Excel) - ひと手間かけて差をつける

フォローをお願いします。コンテンツの更新を見逃しません。

Pocket
LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加