飲み会幹事マニュアル(1/2)-準備編
(1)はじめに-飲み会幹事とは?
飲み会(宴会)の幹事、それは、社会人になると誰もが経験するお役目である。
このお役目は、若い人だけかと言うとそうでもなく、課長でも役員、部長の中に入れば、飲み会幹事をやらされるのである。
そして、たかが社内の仲間内の飲み会であるにもかかわらず、意外にも周りの人、特に「えらい人たち」と呼ばれる方々は、幹事の差配をつぶさに見ているものなのである。「おっ、あいつなかなか段取りがいいな」とか、「日常業務と一緒で、〇〇君は容量悪いな~」という具合である。
ということで、今回は、飲み会幹事マニュアルとして、事前準備から当日の進め方までを詳説したいと思います。
(2)大まかな流れ
下図は、飲み会開催が決まってから、当日のお開きまでのフローを表したものです。
大きく分けると、「準備」と「当日」に分けることができます。
(3)準備段階-成否は準備で決まる!
意外にも、事前の準備は、いろいろやることが多いのである。そして、実は、飲み会の成否、そしてあなたの飲み会幹事としての評価は、この準備段階でおおむね決まっているのである。
以下、順番に説明していきます。
①日程調整
飲み会開催が決まって、あなたが幹事をすることになったら、まずは開催日を決めるのですが、そのためには、まずは主賓とえらい人のスケジュールを確認しておく必要があります。
会社の飲み会で最も多いのが歓送迎会ではないでしょうか?
新たに来る人、部署を去る人の為に催す会ですよね。この方たち、つまり主賓がいなければ会が成り立ちません。また、その組織のえらい人たちも当然参加します。
えらい人たちが参加できない日程を設定することは、「来るな」のメッセージを発しているのと同じです。
② 開催日の決定
主賓、えらい人のスケジュールを一通りヒアリングして、みんなが参加できる日を開催日とします。
みんなのスケジュールは刻々と変化していきます。特にえらい人たちは、次から次に予定が入っていきます。開催日を決めたら、即刻次のステップに取り掛かってください。
③開催通知の発信
通常、メールでの発信になると思います。文面には、下記を書いておけばいいと思います。
・何の会か?:新年会、忘年会、歓送迎会等
・日時:日付だけでなく、スタート時間も明記する。
・場所:この時点では、まだお店が決まっていないと思います。
大体の場所を明記してください(会社付近、〇〇駅周辺等)。
*スタート時間や開催場所によって、出欠が変わる人もいると思います。
・主賓:もし主賓がいる場合は、名前を明記する。
・出欠回答の期限:アドバイスとしては、開催通知から回答期限まであまり日数を置かない方がいいと思います。あまり回答期限を長くするとお店を選ぶ猶予が減りますし、返事を忘れる人が出てきます。
④参加人数の取り纏め
おそらく、バラバラとメールで返信が来ます。見落としの無いように!
幹事経験の多い人は、おそらくエクセルで出欠リスト兼精算表のようなものを作っていると思います。
⑤会費決め
参加人数が決まったところで、大まかに一人当たりの会費レベルを決めます。
主賓、えらい人、一般の人が、それぞれ何人になりましたでしょうか?
主賓は、多くの場合、会費は免除されますよね。えらい人は、お給料を多くもらっている分大目に負担してもらいます。一般職の人に関しては、これまでの会費がいくらぐらいだったかも参考にしましょう。こうして、大体の予算目論見が出てきます。
⑥店選び
ここで、準備段階のメインイベントである店選びの順番です。
実際には、④、⑤の段階から並行して、お店を探し始めておいた方がいいと思います。
店選びで最も重要なのは、「参加人数と部屋のタイプ」だと思います。
仲間内で2-3人連れだって行く飲み会とは違い、部屋のタイプが重要視されます。
人数が増えるほど、収容できるお店も限られ、それに伴い部屋のタイプに関しても選択肢が狭まります。
人数的には収容可能だとしても、それがどのようなタイプの席なのかを確認する必要があります。
完全個室、隣の席とカーテン等で仕切るパターン、それから、予約席と言うだけで一般客の中に入るパターン等いろいろあると思います。
その飲み会の参加者や性質により、慎重に選ぶ必要があります。
私が20代のころ、40人規模の部署の飲み会幹事をしたことがあったのですが、なかなかいいお店が見つからず、最終的には人数でお店を決めました。
当日、お店に行ってみると、大きなホールの真ん中40人分の席が確保されていて、周りを取り囲むように一般客が座っているというような状態でした。
後から聞いたのですが、えらい人には、非常に不評だったそうです。
よく考えれば、主賓、えらい人には一言挨拶をいただくのに、上記のような環境では嫌ですよね。
それから、席のタイプも確認しましょう。テーブル席、掘りごたつ、或いは座敷なのか?
やはり、無難はテーブル席です。座敷は、女性の参加者のことを考え避けましょう。
部屋、席タイプを吟味した後で、料理に移ります。ここに来て、料理と飲み物(飲み放題?)のコースを検討します。
反論承知で言いますが、自分が直接少人数をもてなす宴席であれば、料理・飲料の質、種類、好みが、非常に大きなウエイトを占めると思います。しかし、会社の飲み会のような大きな宴席では、部屋、席のような、参加者全員の利便性にかかわる環境面により重きを置いた方がいい、と私は考えます。
私としては、飲み会の内容にもよりますが、時間が許せば、下見をすることを勧めます。
下見も、試食までできればいいですが、難しいようでしたら、どのような席になるか見せてもらうといいです。
以前、私は、お客様の重役と自分の会社の社長・役員の宴席(もはや、飲み会ではない)をセッティングしたことがありますが、その際は、お店に下見に行き、実際使う部屋を下見して、だれがどこに座るかまでもシミュレーションしました。
⑦コース選び
店が決まったのち、もしコース料理や飲み放題にするのでしたら、この段階で決めます。
先ほどの出欠リスト兼精算表も一緒に見ながら、お店の料金と自分の予算を見比べながら、決めていきます。
⑧お店の予約
店、料理も決まったら、お店に予約です。今は、電話の他にネット予約やアプリで予約していますね。
ネット予約やアプリの特典やクーポンをフル活用して、なるべく参加者の負担を軽減する、或いは、ちょっと贅沢するようにしましょう。ここは、幹事の腕の見せ所ですよ !
⑨場所、会費の連絡
店も料金も決まったら、早急にみんなに連絡です。
⑩集金
先ほどの出欠リスト兼精算表でチェックしながら、漏れの無いようにしましょう。
⑪挨拶の依頼
11番目となっていますが、上記の工程の途中で済ませておくことをお勧めします。
乾杯の発声、一言挨拶、締めの言葉等のお願いをする場合は、必ず事前にお願いしてください。
当日、いきなりはお願いするのは、失礼です。
以上が、準備段階です。
つつきは、「飲み会幹事マニュアル(2/2)-当日編」を参照ください。